KITA Eng.

北海道でサーバー技術者として歩み出したひとが綴るblog。

IDCFクラウドに300円サーバーを作ってみた。

クラウドサーバーがあっちこっちにあって、どこがいいのだか全く謎ですが、ワンコイン(500円)という最小価格の安さでプッシュしている感の強いIDCFクラウドが目にとまりました。

とりあえず仮想マシン作成のテンプレートを眺めていたら、Ubuntu16.04がなくて悲しくなりましたが、公式以外の公開テンプレートを物色したところ、以下のような記事で紹介されているテンプレートを発見。

cloudyarouze.blogspot.jp

さくらクラウドやconohaクラウドだと仮想マシンの停止だけだと課金が続くので、こういう使い方には向かなくて、AWSとかの方になるだろうなと思っていたら、IDCFクラウドならディスクの方の課金は止まりませんが、マシン分の課金が止まるので、かなりお安くちょっとしたサーバーを建てられるということになるようです。

上のテンプレートを使うのもいいんですけど、せっかくなので、使ってみたかったSnappy Ubuntu Coreさんを使ってみることにしました。ここでIDCFクラウドのマイテンプレートなる機能が、力を発揮してくれます。

SnappyをIDCFクラウドで立ち上げるまで

1. マイテンプレートにSnappy Ubuntu CoreのOVAイメージをつくる

Snappyのページ(の下の方)から、OVAのイメージダウンロードURLを取得。 https://developer.ubuntu.com/en/snappy/start/#ova

今回、自分が使ったのはこのURL。 http://cloud-images.ubuntu.com/ubuntu-core/15.04/core/stable/current/core-stable-amd64-cloud.ova

マイページ→コンピューティング→テンプレートとたどっていくと、以下のようなテンプレートの管理ページが開きます。

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ここで右上の緑色の「テンプレート作成」をクリックすると、以下のような画面がポップアップしてくるので、先ほど取得したURLをURLのところに入れて、その他の必須項目をいい感じ設定してあげて、フォームの最下部にある緑色の「テンプレートを作成」ボタンをクリックすれば作成が始まります。

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ややしばらく待つと、

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ステータスが「Download Complete」になってテンプレートが使える状態になります。

2. 作ったマイテンプレートから仮想マシンをつくる

コンピューティングの画面を開いていれば常に画面左上に入るっぽい水色の「仮想マシン作成」をクリックして、先ほど作ったマイテンプレートを指定してつくれば、OKです。

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最小のプランのlight.S1で追加ディスクなし(ルートディスクの5GBのみ)にすれば、月額300円上限のお安いサーバーが仕上がります。

3. SSH接続のためのNAT設定をする

サーバーが立ち上がるまで少しだけ待ち時間があるので、この間にNATルーターの設定をしてあげます。IDCFクラウドの仮想サーバーたちは、デフォルトだと閉じたクラウドネットワークの中にいるようで、グローバルからつながりません。FWとポートフォワードの設定をしてあげる必要があります。

左側のメニューリストの「IPアドレス」をクリックするとグローバルIPの一覧が出るので、一つデフォルトで割り当てられるIPアドレスの名前をクリックして設定画面を開きます。

まず、FWで必要なポートを開けます。SSHの標準22を開けるのもありですが、雑な攻撃対策として、ポートを変えてみました。とりあえず2000とかにしてみます。 f:id:kacchan822:20160915220721p:plain

FWで開けたポートに対応するように、ポートフォワードの設定をします。
パブリックポートはFWで開けた、2000、プライベートポートは仮想マシンは標準ポートでSSHを待ち構えているので、22を指定します。仮想マシン側のsshの設定ファイルを調整せずにSSHのポート変更ができるという意味では、VPSとかを使う時より楽ちんです。 f:id:kacchan822:20160915220732p:plain

SSH接続できるか確認してみます。ユーザー名はubuntuで、ポート2000、仮想マシン作成時に指定した公開鍵とペアの秘密鍵を使って接続します。 f:id:kacchan822:20160915222203p:plain

うまくいけば、ウェルカムなメッセージが出るはずです。よきSnappyライフを。


という具合にして300円サーバーが出来上がりました。厳密には、マイテンプレートの保存料金が誤差の範囲ぐらいの額かかるようです。月額30円上限?課金の部分についてはよくわかりませんので、気になる方は実践する前にIDCFクラウドサポートに問い合わせてください。書いてある通りにやったら、300円以上かかったじゃないか!と言われても、私は責任を負いかねます....ご注意を。

国内のクラウドサービスとしては通信量に対する課金が無いところが多いイメージですが、IDCFクラウドは、デフォルトだと、月間3TBまでの通信が無料で、それ以上は従量課金ということです。3TBに行くのかな....。少し使ってみて様子を探ります。